実際に手作りで加工を始める時は、お預かりしたジュエリーの金属を溶かすことから始めます。
ドロドロに溶けた金属を棒状にし、ローラーにかけて伸ばしていきます。残念ながらこの時点で割れが出来てしまい成形が困難になる金属があります。溶かし具合によって変化する場合もありますが、どうにもならない場合は、今後の作業にも支障が出るので、この時点でお客様にご相談します。
リフォームの場合、金属の性質はその作業が始まるまでわからないものなので、作業を中断せざるを得ない場合もあるのです。
成形を繰り返すと金属はどんどん固くなってきます。
硬くなったら焼きなまし作業(熱を加えて金属を柔らかくする)が必要になります。目的の形になるまで成形と焼きなましを何度も繰り返します。
シンプルな指輪であれば、3~4回焼きなまし作業を繰り返し、まっすぐな細い棒状のに伸ばした後、
指のサイズに合わせて糸鋸で切断、
丸めて接合部分が綺麗に合わさるように鑢などで調整し、
高温の火でロウ付け(溶接のようなもの)します。
リングの形が出来ましたので成形、磨きに入ります。
まずは横面をまっすぐに整えます。ロウ付けの際に少しでもずれていると、ここで大きな段差となって現れます。段差を埋める為にどんどん削ります。すると削った素材は失われ指輪は細くなります。そうならないよう全ての段階において丁寧な仕事が求められます。
次にリングの内側、指なじみの部分から仕上げます。
まず、ロウ付け個所を荒く鑢で平らにし、少しづつ細かい目の鑢やサンドペーパー等で表面をざっと仕上げます。
鉄の芯棒に指輪をはめて木槌等でたたきながら指輪を真円に整えます。微妙なサイズ調整はここで完了させます。リングの内側の角を削り、はめた時に指になじむように滑らかに仕上げます。
リング内側に刻印を打ち込み、
もう一度綺麗に磨きます今回はピカピカに磨き上げます。これで内側の処理は完了です。
続いて外側、装着時目に触れる部分の仕上げです。
指輪上部の形を鑢数種サンドペーパー数種、等で整え、最終バフ磨き数回。プラチナの場合は更に細かく段階を経て磨きが完了します。
シンプルなリングの出来上がりです。
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